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米国財務省が、米国ステーブルコイン法「ジーニアス法(GENIUS ACT)」の実施に関する規則制定予告(NPRM)を4月1日に公表した。同省がジーニアス法の実施に向けて規則案を提示するのは今回が初めてとなる。
ジーニアス法では、発行残高が100億ドル(約1兆5,961億円)以下の決済用ステーブルコイン発行体について、一定の条件のもとで州レベルの規制制度を選択することが認められている。ただし、その州制度は連邦の規制枠組みと「実質的に類似」しており、かつステーブルコイン認証審査委員会(Stablecoin Certification Review Committee)の承認を受ける必要がある。
今回のNPRMは、この「実質的に類似」かどうかを判断するための広範な原則を、「12 CFR Part 1521」として新たに制定することを目的とするものだ。財務省は2025年9月19日に事前規則制定予告(ANPRM)を公表しており、同年11月4日までに寄せられたパブリックコメントを踏まえて今回の規則案を策定した。
規則案のポイントは大きく3つだ。
第1に、「連邦規制の基準」の定義だ。財務省は、基準を法律の条文に限定せず、連邦機関による規則や解釈も含むとした。中心となるのは銀行監督当局(OCC)の規則で、マネーロンダリングや制裁関連は財務省、抱き合わせ禁止規定はFRBが担う。なお、OCCなどの規則については原則として連邦官報掲載文書が対象とされるが、銀行秘密法(BSA)、制裁や抱き合わせ取引の禁止(アンタイイング)関連では一部例外的にそれ以外の文書も含まれ得る。
第2に、要件の二分類である。ジーニアス法第4条(a)の要件を「一律要件(uniform requirements)」と「州裁量要件(State-calibrated requirements)」に区分した。前者には準備資産の構成や開示義務、担保の再利用禁止、マネロン対策、利息支払い禁止などが含まれる。後者は自己資本や流動性などで、州が独自に設計できるが、連邦基準と同等以上の厳格さ・保護水準が求められる。
特に資本・流動性関連では、連邦枠組みにおける水準を踏まえ、同等以上の規制効果を持つことが求められる。
第3に、その他分野での「実質的類似性」の扱いである。準備資産、監督、破綻処理などについても連邦枠組みと整合的である必要がある。一方で、申請手続きや手続的な運用方法などについては一定の柔軟性が認められている。州は連邦基準を上回る追加規制を課すことが可能だが、連邦法や規則と抵触する内容は認められない。
パブリックコメントの提出期限は、連邦官報掲載日から60日以内で、regulations.govを通じて提出できる。
規則案は全体で78の設問を提示しており、「実質的類似性」の評価方法や定量基準の扱い、OCCの規則が最終化された場合の原則修正の可能性など、幅広い論点について意見を求めている。
参考:発表
画像:Reuters
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